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【基本情報】
一巻
本山相続講遠江国第三小会中宛
明治十九(一八八六)年十二月六日
本紙縦22.6糎 横319.1糎
紙本墨書
巻子装
【状態】
虫損(小)
軸と巻末の間に裂け
表紙欠
【翻刻】
(本文)
態と筆を染さふらふ、抑このたひ諸国におゐて相続講をとりむすひ、法義を弘通せしむるにつきてはおのおの此講中につらなり、在々所々に講筵をひらき、よりより参集さふらふよし、殊更神妙におほえさふらふ、されは其法義相続につきても当流の正意こころえたかはす、安心の領解油断なくいよいよ会合さふらひて、おのおの後生の一大事をこころにかけ、他力本願のことはりを聴聞し、相互に信心の有無を沙汰し猶よからさるふるまひもさふらはは、すみやかに改悔懺悔のこころに住すへきものなり、是則真宗繁昌の基ひ、且は自信教人信の義にも相応すへきことにさふらふ、しかれは造悪不善の我人をあはれみまします弥陀弘誓の強縁なることを、深くよろこひはてまつりて、ますます知恩報徳のこころさしをはけまし、すみやかに他力金剛の信心を決得すへきものなり、夫開山聖人のすすめまします真宗の正義といふは、弥陀弘願の他力の信心をもて本とをしへたまへり、されは其本願と申は智慧才覚もいらす、男女貴賤を論せす、もろもろの雑行雑修をさし置て一心に弥陀に帰命する一念の信ままとなれは、如来は其行者をしろしめして五濁悪世の有情なれとも不可思議の願力をもて、無明業障のつみとを一時に消滅したまひ大光明のうちに摂取して捨たまはす、娑婆にあらんかきりは光明のうちにすむ身なりと定めしめたまふなり、さて一期の命盡ぬれはあやまたす、安養の浄土へは送りたまひて、无上の妙果を証せしめたまふなり、しかれは此法筵に参集の輩にをいては、すみやかに念佛得堅固の思ひに住し、往生浄土の素懐をとけらるへきものなり、さきは先徳の言葉に至心信楽をのれをつすれて、すみやかに无行不成の願海に帰し、憶念称名いさみありてとこしなへに不断无邉の光益にあつかるといへり、かへすかへす佛智他力の不思議をもて往生治定の身となりたるありかたさのあまりには如来大悲の恩徳の深遠なることを信知して行往坐臥をえらはす、佛恩法盡の称名念佛申へきものなり、猶[ ]へには王法をもて先とし、世間の仁義を本とすへし、これ則當流にさたむる所の趣を存知したる平生業成の念佛の行者とはなつくへきものなり、あなかしこあなかしこ、
明治十九年十二月六日
釋厳如(朱印)
本山相続講遠江国第三小会中
【商品説明】
真宗大谷派の本山である東本願寺は、これまでに四度の火災に遭っている。明治の再建工事は大型で長期にわたり、莫大な出費と借入金超過をまねき、金利も支払えず、融資も受けられない状況であった。東本願寺は、この窮地を打開するため明治十八(一八八五)年十一月二十九日に「相続講趣意書」を発表、相続講を発足させた。財政困難は極度に達し、日々月々の負債増加により進退きわまると訴え、「法義相続」と「本廟護持」を呼びかけた。相続講講金は男子一口二円、女子一口一円とし、北は北海道から南は鹿児島、さらに中国や朝鮮にまで、門徒以外にも相続講の加入を募ったようである。
本品は「相続講趣意書」が発表された翌年の十二月六日に、遠江国の第三小会中に対して、相続講への加入と教えの相続である「法義相続」を訴え、正しい教えを広めることを望み、教義を記しているものである。
(参考文献)
・名畑崇「両堂再建の歴史」(真宗大谷派宗務所企画室編『再建の軌跡ー真宗本廟両堂再建百年記念資料展図録ー』真宗大谷派宗務所出版部、一九九五年)
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