伝世尊寺行尹古今集切
¥40,800
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【基本情報】
一枚
古今和歌集 三九六番和歌〜三九九番詞書(途中)
南北朝時代か
畠山牛庵(三代)極札付
本紙縦21.7糎 横14.5糎
極札縦14.5糎 横2.2糎
紙本墨書
未装
【状態】
(本紙)
四隅に傷みあり(補修あり)
虫損極小あり
折り目跡あり
シミ少しあり
裏面四隅に糊跡あり
(極札)
虫損小あり
【翻刻】
(本紙)
あかすしてわかるるなみたたきにそふみつまさるとやしもは/見ゆらむ
かむなりのつほにめしたりける日おほみき/なとたうへてあめのいたうふりけれはゆふ/さりまて⬜︎(侍か)てまかりいてけるおりにさかつきをとりて
つらゆき
あきはきのはなをはあめにぬらせとも君をはましておし/とこそおもへ
とよめりけるかへし
兼覧王
おしむらむ人のこころをしらぬまにあきのしくれと身そ/ふりにける
かねみのおほきみにはしめてものかたりして
(極札)
世尊寺行尹 あかすして (随道)(瓢型朱印)
【商品説明】
江戸時代の古筆鑑定家である畠山家の三代畠山牛庵(?〜一七二七〜?)(二代牛庵の養子で名は重好、随道と号す。享保十二〈一七二七〉年遁世。)の極札が付属しており、これは料紙や筆跡、極印から贋極札ではなく牛庵によるものと思われる。
本文は定家本系で、本古筆切や極札の裏面には糊跡があり、元は手鑑に貼られていたものであろう。
伝称筆者である世尊寺行尹(一二八六〜一三五〇)は世尊寺経尹の息。世尊寺家第十二代当主で、世尊寺三筆に数えられる(『書言字考節用集』)。行尹を伝称筆者とする古今和歌集については、静嘉堂文庫蔵『古筆切目安』の「行尹」の項目に、「(▲古今序 六半 チラシ書所補)」と登録されているものと、重要美術品とされる天理大学附属天理図書館蔵の正中三(一三二六)年の書写本がある。行尹の真蹟資料としては、前田育徳会蔵『短冊帖』(行尹花押)や、大阪市立美術館蔵「足利尊氏稲荷社奉納願文」(尊氏花押・行尹筆)、「七社切」が考えられており、特に「七社切」は仮名の部分も豊富である点から、行尹筆の仮名切の真偽判定には恰好の基準と考えられている。
そこで本古今集切と比較してみたところ、「七社切」に見られる癖がほとんど見られないため、行尹とは別筆だと思われるが、行尹が活躍した南北朝時代ごろに書かれたものであろう。
また行尹を伝称筆者とする古今集切は伝存数が極めて少ないため、貴重な史料である。
(参考文献)
・「新編国歌大観」編集委員会編『新編国歌大観』第一巻 勅撰集編 歌集(角川書店、一九八三年初版)
・伊井春樹・大阪大学古代中世文学研究会編『新版古筆名葉集』(古代中世文学資料研究叢書2)(和泉書院、一九八八年)
・小林強・髙城弘一共著『古筆切研究』第一集(思文閣出版、二〇〇〇年)
・天理大学附属天理図書館編『和歌の時代ー古今集そして新古今集ー』(天理大学出版部、二〇〇二年)
・村上翠亭・高城弘一監修『古筆鑑定必携ー古筆切と極札ー』(淡交社、二〇〇四年)

